アキラ

AKIRA-2

AKIRAシリーズ 2 / 14

今日は、いつもよりずっとまぶしい朝焼けで始まった。 窓を開けると、むわっとした蒸し暑さが押し寄せてくる。 九州の夏は、朝からまるで蒸し器の中にいるようだ。 ばあちゃんは昨日から親戚の家に出かけていて、家には僕一人きり。 いつもは騒がしいはずの家が、今日はしんと静まり返っている。 そんな中、空を見上げると、もくもくと入道雲が空高く立ち上がっ

今日は、いつもよりずっとまぶしい朝焼けで始まった。
窓を開けると、むわっとした蒸し暑さが押し寄せてくる。
九州の夏は、朝からまるで蒸し器の中にいるようだ。

ばあちゃんは昨日から親戚の家に出かけていて、家には僕一人きり。
いつもは騒がしいはずの家が、今日はしんと静まり返っている。

そんな中、空を見上げると、もくもくと入道雲が空高く立ち上がっていた。
まるで巨大な綿菓子が空に湧き上がっているようだったけど、
そのスピードは恐ろしいほど早かった。さっきまで晴れていた空が、
あっという間に不穏な灰色に変わっていく。

「まだお昼前なのに、なんか嫌な感じだな……」

その時だった。
どーん。
ごろごろごろ……。

雷の音が地響きのように響いてきた。
家の中はすっかり暗くなってしまい、おばけでも出てきそうな雰囲気。
本当は外の方が明るくて涼しいのだけど、
「雷におへそを取られるぞ!」というばあちゃんの言葉が頭をよぎる。

迷っているうちに、急に空が怒ったように泣き出した。
それも優しい雨なんかじゃない。
まるでバケツをひっくり返したような土砂降り。
しかも、風に押されて斜めに吹きつけてくる横殴りの雨だ。

「もうダメだ、家に戻ろう……」

そう思った瞬間、
ピカッ!
次の瞬間、
ドーーーーン!!!

まるでお腹の底に響くような音で雷が落ちた。
思わず身を縮め、「ひぇぇ……」と声が漏れる。

「やばい、やばい、やばい! ヘソ取られる!どこかに隠れなきゃ!」

僕は慌てて押し入れの戸を開けて、奥の布団の山に飛び込んだ。
真っ暗な布団の中で、体を丸めて、雷に見つからないようにじっとしている。
耳を澄ませば、まだ外ではゴロゴロと雷の低い唸り声が響いていた。

でも――不思議なもので、怖いはずの布団の中は、
ばあちゃんの匂いがして、なんだか安心してくる。
心臓のドキドキも、やがてゆっくりに。
そして、目を閉じているうちに、いつの間にか意識はふわふわと薄れていって――

…気がつけば、静けさの中にいた。
雷は遠くの山の向こうへと去り、窓の外にはまた少しずつ光が戻ってきていた。

僕は押し入れの中で、小さくくしゃみをひとつした。

続く